ご挨拶

hanamura

公益財団法人認定にあたって

かつて「ものづくり王国」を謳歌していました我が国は、いまや中国、インド、ブラジル、インドネシア等々の新興諸国にそのお株を奪われ、かと言ってアメリカのように知識情報社会でのトップリーダーにもなりえず、方向感を見失ってただ漂流しているだけといった憾があります。わが国はこのまま、これと言って特徴のない二流国家に成り下がってしまうのでしょうか。決してそうであってはなりません。

では、これから何をもって日本は世界にその存在感を示していけばよいのでしょうか。四季の巡る「美しい自然」、豊かな食材と繊細な美意識をもって丁寧に調理された「おいしい料理」、優しく行き届いた「おもてなしの心」、全国各地の様々な特色ある「観光資源」等々、世界に誇るべきものはまだまだたくさんあります。それらをどう生かすかはこれからの大きな国家事業でありますがここで申し上げたいのはそのことではありません。問題はあくまでも、「ものづくり」において日本が引き続き世界をリードするには何をどうすればよいかにあります。

もともと日本人は土地々々の素材を生かし、巧みな技をもってそれに微細な加工を加え、豊かな感性と実用の知恵をもってそれを美しく装飾して、世界に誇るべき美術工芸作品を多数産出してきたという歴史を共有しています。そしてこの伝統は現代産業社会の基底にあっていまもなお脈々と受け継がれています。たとえば、ユニークな発想と日本人特有の感性をもって開発された新素材、高度微細加工技術によってもたらされる高性能精密加工部品、深い人間的理解を背景に開発される各種ロボット、最新の情報技術・高度画像処理技術を駆使して制作されるアニメ作品などもそれです。

「ものづくり立国」日本を復活させるのに、豊かな感性、創意工夫、辛抱強さ、勤勉性、手先の器用さ、一致共同、などの日本特有の手工芸文化のこの伝統を生かさない手はありません。考えてみればこれらはいずれも、我々「日本手工芸作家連合会」がこれまで四十五年の長きに亘って追求してきた、また普及を図ってきた基本的テーマであります。いまわが国には膨大な手工芸人口があります。それらの方々が営々として培ってこられた手工芸文化は、いまなお全国各地で生き生きとその命脈を伝えてくれています。これを二十一世紀の「ものづくり」国家再生への起爆剤として改めて活性化させるのです。それこそが手工芸文化の再生と普及に賭けるわれわれ「日本手工芸作家連合会」会員の共通のねがいであります。

このたび、「日本手工芸作家連合会」は「公益財団法人」としての認定を受けることができました。これを機に改めて「公益」の原点に立ち返って、如上の信念と抱負をもって、日本手工芸文化のいっそうの発展に寄与して参りたいと念じております。会員のみなさまのさらなるご精進と、手工芸愛好家のみなさまの厚いご支援とご協力をお願い申し上げる次第です。

公益財団法人日本手工芸作家連合会 会長 花村邦昭

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Copyright © 公益財団法人日本手工芸作家連合会 All Rights Reserved.